院内セミナーで関節鏡の実習をしました

院長の鈴木です。

当院では整形外科疾患の治療を行うことが多いのですが、7年前から関節鏡手術も取り入れています。

関節鏡は内視鏡の一種です。

胃カメラのような内視鏡は動物病院でも多く取り入れられていますが、関節鏡手術を治療に取り入れている動物病院はほとんど無いと思います。

関節鏡手術は特殊手術ですが、当院では関節鏡手術にも力を入れています。

関節鏡手術とは低侵襲な関節外科で、直径2mm程度の切開で関節内を精査して治療することができます。

内視鏡で関節内が数十倍に拡大されるので、微細な病変も検出することができます。

小動物医療において関節鏡手術は肩関節、肘関節、股関節、膝関節で有効です。

関節鏡手術の適応疾患は上腕二頭筋腱炎、離断性骨軟骨症(OCD)、内側鈎状突起離断(FMCP)、肘突起癒合不全(UAP)、前十字靭帯断裂(CrCLD)、半月板損傷など多くの疾患で治療することができます。

内側鈎状突起離断

前十字靭帯断裂

半月板損傷

 

当院では日々の診療で関節鏡手術を行っていますが、先日大学教員の先生にレクチャーをしていただき、スタッフで関節鏡の実習をおこないました。

関節は模型ですが、実際の手術室で関節鏡を操作するのは初めてのスタッフもいましたが、いつも見ている関節鏡はこんな感じなのかと楽しそうに実習をしていました。

関節鏡手術は専門性の高い特殊手術なのですが、当院のスタッフは自然と慣れているので操作に慣れるのも早いです。

きずは小さいのに大きな治療効果が得られる内視鏡手術って素晴らしいです。

これからも言葉を話すことができない動物たちの声なき声に耳を傾け、体に優しくて良い治療を取り入れます。

院長 鈴木