今日犬のレッグカルベペルテス病(大腿骨頭虚血性壊死)という股関節の病気を疑い、大腿骨頭骨頚切除術の手術をしました。
生後9ヶ月キャバリアキングチャールズスパニエルで、数週間前から後肢の歩き方に異常を感じていたとのことで、当院を受診されました。
レッグカルベペルテス病は大腿骨頭や骨頚部の非炎症性無菌性壊死という病気です。
この病気の原因は明らかになっておりませんが、血管の圧迫による虚血などによるものと考えられております。
股関節は寛骨(骨盤の骨)と大腿骨(太ももの骨)で構成されており、それぞれ寛骨臼という骨盤のくぼみと大腿骨頭という太ももの骨の一部が円靭帯という靭帯でつながっています。
股関節に限らず、関節の周囲は関節包という袋でおおわれており、袋の中は関節液という液体が入っています。
レッグカルベペルテス病は大腿骨頭と骨頚の骨が壊死し、変形します。
そのため股関節は不適合不安定となり、関節の運動時には激しく痛みます。
今回、手術治療をおこなったワンちゃんも、左右の後肢の太さに明らかに差異があり、患肢の筋肉が萎縮(廃用性萎縮)していました。
治療法は大腿骨頭骨頚切除術が適用となります。
つまり大腿骨の骨頭骨頚部を外科的に切除する手術です。
今回の手術では股関節の関節包は重度に肥厚しており、関節液がたくさん貯留していました。
最近の研究によると遺伝的検査によって、股関節の病気が発症の原因が遺伝的要素によるものかを判定することができます。
今回切除した骨頭部を大学検査機関にて、遺伝子の解析検査で発症が遺伝的要素によるものであったか否かを検査します。
当院では長年にわたり整形外科、神経外科、胸部、腹部外科などの外科手術の実績を積み重ねてまいりました。
これまで当院をご利用してくださっている患者様のご期待に応えるべく、最新の手術設備を導入し、質の高い外科治療の実践を目指してまいりました。
本日は、手術室にMAQUET GETINGE社製のLED無影灯を新規導入いたしました。
今回導入した無影灯は人間の外科施設の手術室設備として認可を受けている機種です。
実測値で14万ルクス以上の照度があり、照度を弱める調整が必要なほど明るい視野が得られます。
今回、より明るく可視化された術野を得られたことで、より繊細で正確な手術操作が期待できます。
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