今月3日から5日までの3日間、アメリカのラスベガスで開催された
Western Veterinary Conference 2016の実習セミナーと
その後に開催された学会に参加して参りました。
実習内容は3名のアメリカの外科専門医を講師に、
脊髄疾患の外科治療についてでした。
当院でも脊髄疾患の外科治療を数多く行なっておりますが、
今回の実習ではより難易度の高い手術方法について学びました。
椎間板ヘルニアをはじめ、環軸椎脱臼・不安定症やウォーブラー症候群
という頚部の疾患や、変性性腰仙椎狭窄症(馬尾症候群)という腰部の疾患、
椎体(背骨)の脱臼・骨折の治療法について、実際の治療例から
適切な治療方法や合併症を学びました。
脊髄疾患の治療方法には様々な選択肢がありますが、
今回の実習では特に椎体の固定方法に重点を置いた内容でした。
椎体の固定には、手術用のセメントや、プレート、スクリューといった、
様々なインプラントを使用します。
今回の講師の先生方はプレート固定による治療を
数多く行なわれているとのお話でした。
実習でも使用したSOP(String of peals)というプレートは、
ロッキングプレートと呼ばれるプレートで3次元的に曲げることができる上、
その他のロッキングプレートと比較して強度が高いという特徴のあるプレートですが
講師の先生方はSOPを多用されているとの事でした。
当院でもSOPを導入しております。
当院で導入しているSOPシステム
SOPはイギリスのOrthomed社の製品で、その名の通り真珠が連なった様な
形状により3次元的に形を整えて使用する事が可能なため、今回受講した
神経外科以外にも大腿骨や脛骨骨折、肩関節脱臼・不安定症など、
様々な整形外科疾患の治療にも使用する事ができるインプラントです。
獣医療においても数多くの整形外科用インプラントが開発され、開発された
インプラントの利点・欠点、またはその他のインプラントとの比較検討に
関する研究が沢山報告されております。
当院では様々な疾患に対応するべく、様々な機器を取り入れておりますが、
常に更新されていく獣医学を学ぶ事が必要です。
病院を留守にするため、当院をご利用してくださっている患者様には
ご迷惑をお掛けして申し訳ありませんが、今後も国内外を問わず、
様々な学会や実習に積極的に参加し、得た技術や知識を診療に
生かしたいと考えています。
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