こんにちは! 獣医師の崔です☆
みなさま、お変わりなくお過ごしでしょうか??
だんだんと暖かくなり、花粉も飛び始め、春の訪れを感じますね^^
今回は泌尿器の病気、結石症についての症例報告です
ネコ 3歳 去勢オス
元気食欲がなく、部屋の隅でじっとしているという主訴で来院されました。身体検査、血液検査を行ったところ、腎数値の上昇が認められたため、追加検査として画像検査、尿検査を実施しました。
結果
尿管結石 膀胱結石
腎数値の上昇は尿管結石による急性腎不全とわかりました。
治療については、手術も含め飼い主様と相談したしたところ、まずは内科的な治療で反応をみることになりました。
数日間の内科的治療により尿管につまっていた結石は膀胱にながれ、腎数値も改善されました。とりあえずは危機的な状態を脱しました。
しかし、その後、膀胱にながれた結石が尿道につまり排尿障害が起こるようになりました。膀胱に結石があり続ける以上、症状の改善は困難と判断し外科手術を行うこととなりました。
①膀胱の超音波画像です
わかりにくいですが、膀胱内の青で囲っている部分が結石です。
②腹腔鏡にて膀胱結石を摘出しているところです
中央赤い部分が膀胱です(切開は2cm弱くらい)。
青矢印が結石です。
③膀胱内の結石の様子
②の写真で膀胱内に腹腔鏡カメラを入れています。カメラを介してみえる膀胱内の結石です。
膀胱内の結石をすべて除去した後、尿道をひろげる手術(会陰尿道造瘻術)をおこないました。(男のコは女のコにくらべ尿道が細く、結石などつまりやすいため、治療経過や検査結果をふまえたうえ、膀胱結石摘出と同時に実施しました。)
肛門と陰茎の間を切開します
(赤い領域です)
尿道を切開し尿道粘膜と皮膚を縫合します
尿道口が広がりました。
経過良好のため術後3日目で退院としました
術後経過・・・
術後1週間くらいで頻尿なども改善され、
術後2週間で抜糸しました。
現在は排尿異常もなく、元気食欲なども安定しています。
術後2週間での超音波画像です
画像上の異常所見はありません
※会陰尿道造瘻術は、膀胱結石がある男のコ、全症例に適応ではありません。尿路閉塞を繰り返す場合、解消できない閉塞、狭窄、尿道損傷、腫瘍などが適応です。なにか泌尿器疾患でお困りの場合は、お気軽にご相談ください。
余談~
少し前にミキサーを買いました!!
これで毎日の野菜不足が解消できる!!と、意気込んで買いました
が、
どんどん使用頻度が落ちてます ”(-“”-)”
みなさんも健康に気を付けてくださいね~♪